工場などの床向けの工事として広く知られている塗床工事ですが、傷みが多くなり耐用年数を迎えたら、塗り替えを基本とする改修工事が必要です。
そこで、今回の記事では塗床工事の中でも「改修」にスポットを当てて詳しく解説します。
施工のアイデアや注意点を隈なく紹介しますのでご一読ください。
どのようなときに塗床の改修工事が必要ですか?
真新しく工場を建てたばかりのときに仕上げた塗床は、傷も無く美しい状態です。
ピカピカの塗床は清潔感もあるほか、作業工程によって色分けをすることにより、効率化を促すことも可能です。
塗床工事は工場などに欠かせない工事として多くの場所で施工が実施されていますが、使用用途によっては早く劣化を迎えることもあります。
例として、振動の激しい工場機器を稼働させている塗床は、塗料にひび割れが入りやすくダメージが入りやすいという弱点があります。
また、食品加工工場の塗床は油跳ねなど高温の汚れに耐える必要があり、劣化が進行すると床に凹凸が生じることがあります。
では、どのようなときに塗床の改修工事を行う必要があるでしょうか。
以下のような場合には、塗床の改修が必要と考えられます。
1.塗床に凹凸があり、下地が見えている
塗床はそもそもコンクリートの下地を、エポキシ樹脂などを使って綺麗に「コーティング」を行うような工事です。
つまり、コンクリートを保護する目的で施工が行われています。
それにもかかわらず、塗床に下地が見えてしまうようなら、コンクリートにもダメージが及んでしまいます。
コンクリートにダメージが及ぶと大掛かりな改修工事を必要とするため、できるだけ早く改修を行うことが望ましいでしょう。
また、塗床に塗料の剥がれが発生しており、凹凸が著しく目立つ場合には早期の改修が望ましいとされます。
その理由は凹凸に作業者の方が引っ掛かってしまい転ぶ場合があるからです。
また、工場で稼働している台車はたとえ小さな凹凸であっても車輪がはまってしまう場合があります。
すると、重量が重い場合にはコントロールが難しくなり、倒れてしまうケースがあるのです。
こうした作業トラブルを未然に防ぐためにも、改修は急ぎましょう。
2.汚れが著しく不衛生である
塗床工事はよく食品加工の工場でも使用されていますが、油汚れなどが発生しやすいのです。
食品加工の現場は衛生を第一に考える必要がありますが、見た目にも不衛生な場所で加工することが、果たして正しい作業でしょうか。
清掃しても油が沁み込んでいる床は、作業者が滑って転倒してしまうリスクもあります。
高温の油や食材をふんだんに使うからこそ、塗床は常に清潔で衛生的である必要があります。
もしも著しく汚れが目立ち、清掃しても不衛生な場合には、はやめに改修を検討しましょう。
塗床の改修工事とは一体どのような施工内容ですか?
では、塗床の改修工事が必要となった場合には、一体どのような改修工事が行われるのでしょうか。
ここからは塗床工事の改修時の施工内容について詳しく解説します。
塗床の改修工事の概要
塗床を改修する際には、まずは現地調査からスタートします。
改修が必要になった、ということは耐用年数を迎えている、もしくはダメージが進行しているためです。
どのような改修がふさわしいのか適正に見極めるためにも、まずは現地にて念入りな調査を行います。
特に下地となるコンクリート部分のダメージが建物全体の寿命に影響するため、丁寧に確認します。
その後、改修工事について見積もりを行い、正式な改修工事に移行します。
ここからが本格的な工事です。改修工事の場合、工場設備の稼働を続けている場所も多いと思われ、丁寧な養生を行います。
塗床の施工は塗料を使うため、壁などに飛沫しないようにいろいろな箇所を養生します。
養生後は本格的に下地処理に移行します。
下地処理とは現在の床を「剥ぐ」工程です。
機械を使って丁寧に剥ぎ取り、一旦床面をリセットした状態へと導きます。
剥ぐ作業は基本的に集塵機を使って行われており、大音量が発生してしまいます。
周囲に配慮が必要な場合には、あらかじめ工事日程や騒音へのご理解を求めています。
剥ぐ工程が終わったら、プライマーという工程に移行します。
プライマーとは建設現場で多く用いられている塗料の一種です。
床面にプライマー塗装を綺麗に行うことで、このあと上塗りに使う塗料が密着しやすくなります。
床面と塗料の間にサンドイッチの具材のように入り込むことで、お互いの接着度を高めているのです。
プライマーの工程が甘いと、どうしても上塗りの塗料が剥がれやすくなってしまいます。
プライマーが次に終わったら次に下塗りの工程です。
下塗りはプライマーによってある程度補正された床面の凹凸をさらにカバーするために行われます。
この上から上塗りの奥底を行います。上塗りが最後の工程に当たり、ツヤツヤで美しい配色がなされた床面に仕上げます。
最後にトップコートで艶を持たせたら完成します。
塗床工事の注意点とは
塗床工事の一環として改修を行う場合、塗料選びはもちろんのこと現在の下地の状態次第では必要な工程が異なる場合があります。
また、現在の工場から使用用途を変更する際に回収を実施する場合には、塗料を変更することも考えられるでしょう。
工場の新設時における塗床工事よりも検討すべきことが多いため、慎重に工程を練る必要があります。
用途の変更の場合は塗料の厚みなども考慮する必要があります。
特に従来は倉庫だったような場所を食品加工場所に変更する場合には、高熱や油への耐久性も含めた塗床に改修する必要があります。
塗床工事は非常に繊細な技術が必要であり、経験から判断する審美眼も必要です。
もしも改修をご検討の場合には、塗床工事の施工実績が多い業者を選ぶことがおすすめです。
念入りに打ち合わせを行い、信頼できる業者に依頼をするようにしましょう。
塗床工事が完了したら、アフターフォローも充実している業者がマストです。
これからも工場内で安全に作業を続けていくためにも、適切な塗床工事を実施しましょう。
まとめ
今回の記事では塗床工事の1つである「改修工事」の作業に注目して詳しく解説を行いました。
塗床工事は普段の生活にはやや馴染みのないものですが、工場を始めとする大型施設には無くてはならない工事です。
もしも現在塗床面にダメージがあったり、色剥げや凹凸が目立ったりしている場合には、ぜひお早めにメンテナンスをご依頼ください。