工場などを中心にポピュラーな工事として知られる塗床ですが、そもそもどうしてこのような塗装が施されるようになったのでしょうか。
コンクリートの丈夫な床をあえて塗装するには、正当な理由があります。
そこで、この記事では工場を塗床へ施工するメリット・デメリットを通して工事を詳しく解説します。
なぜ工場には塗床工事が必要とされるのか
日本には色んな業種の工場があり、食品や薬品の加工などはもちろんのこと、熱を使った金属加工、鉄工所などもあります。
工場はそれぞれの業種に適した設計が求められており、作業効率を追求した工場が建設されています。
水をふんだんに使う工場もあれば、火を使う工場もあり、必要とされる耐久性も異なります。
塗床はただのコンクリートが施工されている状態の床を塗装の技術によってコーティングし、作業効率を引き上げ耐久性も高める効果があります。
塗料の種類によって水や熱に強い施工も可能であり、色を使うことで工場内の壁や床を分離させ、機能性を高める効果もあります。
このように効率よく業務を遂行するにあたってはコンクリートのままで置くのではなく、塗床を施工することが大切なのです。
塗床工事がコンクリートにもたらす効果とは
塗床工事を工場内の床に施工することで作業効率が上がる、などご紹介しましたが、施工の下地となるコンクリートにはどんな効果をもたらしているのでしょうか。
コンクリートは皆さんの知るとおり、大変丈夫で硬いものです。
その一方で、実はひび割れが起きやすいことはご存じでしょうか。
コンクリートは施工不良なわけではなく、経年劣化や地震などの影響によってひび割れが生じることがあります。
小さなひび割れ程度なら簡単に補修をすることができますが、放置をしておくと次第にひび割れは深くなってしまい、耐衝撃性も低くなってしまいます。
また、代車などで工場内を運搬する作業がある場合、ひび割れにタイヤや人がはまってしまうことにより、大きなケガや事故につながってしまうこともあるのです。
そこで、コンクリートの弱点をカバーすべく登場しているのが塗床なのです。
塗床はただのペンキによる塗装などではありません。
下地をしっかりカバーし、下塗りの工程を経てから仕上げを完了させていきます。
実際に塗床を見たことがある方はおわかりかと存じますが、耐薬品性など床を十分に守る必要がある場合は塗装も分厚く仕上がっています。
下地の手厚い保護に寄ってコンクリートそのものの耐用年数を伸ばす効果もあるのですね。
塗床工事は良いことだらけ?今こそ知りたいメリット・デメリット
塗床工事は工場のカバー役として活躍する工事ですが、塗床工事に携わったり、現場がどんな風に仕上がるのか見たことがない場合には一体どんなメリット・デメリットがあるのか想像しにくいですよね。
そこで、この項では塗床工事をもっと身近に感じられるように、メリット・デメリットをわかりやすくご紹介します。
塗床工事のメリットとは
塗床工事のメリットには先に触れたようにコンクリートを保護する意味が強いのですが、その他にも素晴らしい効果があります。
まず、塗床に使われる塗料は特殊で日々進化を遂げています。
耐摩耗性に優れているものも多く、作業を繰り返しても床が傷付いたり壊れてしまったりする恐れが減ります。
また、コンクリートが剥き出しの状態よりも床全体の強度が上がるため、振動のある工具や機械などを置きやすくなります。
塗床はつるつるとした表面に仕上がるため、掃除がしやすく水作業などで床の清潔さを保つことも可能です。
コンクリートとは違う利点を塗料によって獲得できます。
コンクリートより明らかに水はけがよくなるので、作業効率がアップすると感じる工場が多いでしょう。
塗床工事のデメリットとは
メリットだらけの魅力的な塗床工事ですが、デメリットはあるのでしょうか。
デメリットは非常に少ない工事ですが、コンクリートの施工費用にプラスして塗床工事を行う必要があるので、短期的には支出が多くデメリットに感じるのではないでしょうか。
特に高級の塗料を使う場合には、施工範囲が広いとそれだけコストが増大してしまうので注意が必要です。
しかし、長期的に見ればコンクリートの耐久性が上がる観点から、メンテナンス費用を抑える効果もあります。
塗床工事は「機能性」を重視するため、景観としてはおしゃれに仕上がりにくいという側面はあります。
しかし、最近では塗床にクリアー塗装が導入されているのもあり、工場でもライトな作業内容であればクリアー塗装のみでカバーできる場合があります。
機能性とデザインのバランスが難しい塗床工事ですが、専門業者に相談を重ねることで調和の取れた美しい床が完成します。
塗料の種類やデザインはしっかりと要望を重ねることが重要です。
特に機能性を求める塗床工事は、工場の使用用途を明確にし、塗料との相性を確認するようにしましょう。
塗床はメンテナンスが必要?施工後に知っておきたい3つのこと
塗床工事は剥き出しのコンクリートの状態よりも床の耐用年数を伸ばすコツではありますが、その一方で知っておくべきこともあります。それは「塗床のメンテナンス」のことです。
塗床は出来立てホヤホヤの段階では美しく光沢もあり、作業効率もバッチリ高めてくれるものですが、塗料にも耐用年数があることも知っておく必要があります。
塗料の種類にもよりますが、塗床に使用されるウレタンやエポキシ塗料にも寿命はあるのです。
では、メンテ餡巣の頻度はどの程度が理想なのでしょうか。
基本的には一般的な塗装と同じで、10年を超えてくると劣化が進行しやすくなります。
特に振動や衝撃の多い工事現場は、機器の近くに塗料の劣化が進行しやすいという特徴があります。
塗料に剥げや浮き、ひび割れのような症状が見つかったら早めに塗装の業者へ相談をするようにしましょう。
特にひび割れの場合、特殊な補修が必要となるケースが多いため、ご自身で接着をされることはおすすめできません。
補修ができなくなってしまう場合もあるので、少しでも違和感があったら早めにメンテナンスを行うようにしましょう。
まとめ
今回の記事では工場向けの塗床工事に関して、初歩的な視点から詳しく解説しました。
塗床工事はメリットが大きく、工場全体はもちろんのこと、人を守る効果もあります。
施工時には費用も掛かるためコストが気になるのも事実ですが、ランニングコスト全体を下げる効果もあります。
安全で効率のよい工場稼働を目指すためにも、塗床工事はおすすめです。