学校や病院、工場などを中心に大型の施設に多用されているコンクリートは、耐震性もしっかりとあり、地震大国日本の建物を支えてくれる素晴らしい素材です。
しかし、コンクリートにも弱点はあります。コンクリートを長期間大切に使うためには、塗床工事がおすすめです。
この記事は塗床工事の必要性を解説します。
頑丈で丈夫なコンクリートの弱点とは
多くの建物に多用されているコンクリートは、非常に頑丈ながら扱いやすさもあり、大型の建物を中心に多く活用されています。
硬くて耐久性もあるコンクリートには一見すると弱点はなさそうに見えますが、実際にはどうなのでしょうか。
結論から言うと、コンクリートにも弱点は存在しています。
コンクリートの弱点とは
コンクリ―トは便利で頑丈な素材ですが、弱点もあります。
まず1つ目は「引張力が弱い」ことです。
横に引っ張られるような動作に弱く、「ひび割れ」が起きやすくなります。
工場でコンクリートの床が使われる場合、恒常的に振動が発生する床ではひび割れが発生しやすくなります。
2つ目の弱点は重量が重いことです。
コンクリートは施工すると大変重い素材です。
施工をする際にはコンクリートをしっかりと支えることができる鉄筋を使う必要があります。
そのため、コンクリートの床はもちろんのこと、建物にコンクリートを多用する際には木造建築よりもコストがかかります。
また、腐食には強い素材ですが、ひび割れた箇所に水が浸透してしまうと強度が落ちていく可能性があります。
コンクリートはあらかじめ弱点をカバーする施工が望ましいのです。
塗床工事はコンクリートの弱点をカバーする
コンクリートの弱点をカバーするために生み出された工事が「塗床工事」です。
塗床工事は施工されたコンクリートの床の上に、特殊な塗料を塗っていく施工を意味します。
塗床はひと言でまとめると、「カバー」をします。
コンクリートの弱点が露見しないように、塗料でカバーしているのです。
そのため、人の往来の多いショッピングモールや病院の床、振動が多い工場の床、熱や水を多用する食品加工の工場などでは基本的に塗床工事が施工されています。
コンクリートは元々頑丈で耐用年数も長いですが、大切に長期間使用するために塗床工事が欠かせない存在なのです。
塗床工事にはどのような塗料が使われているの?
では、実際の塗床工事には一体どのような塗料が使われているのでしょうか。
塗床に使われるような塗料は、コンクリートをビシッとカバーするだけの能力が求められます。
そのため、割安で販売されているペンキとは異なっています。
コンクリートは摩耗性にも弱いと言われており、工場や人の往来が多いと次第に劣化してしまいます。
また、床がある工場などの使用用途によっては、油や水にも強い塗料を使う必要があります。
水性の絵の具では床を守ることはできません。
そこで、塗床工事に使われている塗料は、つやがありコーティング能力がある塗料がセレクトされています。
例として挙げると、広くいろいろな床に施工されているのはエポキシ樹脂です。
エポキシ樹脂は汎用性が高い素材として知られており、多くの床に施工されています。
熱にある程度耐性があり、電気の絶縁性もあります。つまり、工場に万能の塗料なのです。
合成樹脂を生かしている塗料なので、見た目には艶やかな印象があります。
クリーンルームや事務室、工場などで多用されている人気の塗料です。
この他に、塗床の塗料にはウレタン系塗料なども使われています。
いずれも非常にシームレスな仕上がりとなり、美しい印象の床に仕上がります。
いろいろな種類の塗床向け塗料が販売されており、カラーの種類も豊富ですがどの塗料にもそれなりに個性があります。
施工の際には工場をはじめとした建物の使用用途に合わせて塗料選びを行う必要があり、念入りに施工業者と打ち合わせをされることがおすすめです。
特に現在の塗床にダメージが発生しており再塗装の工事を行う場合には、既存の下地や新たな塗床をどうするべきか慎重に検討されることが重要です。
塗床はコンクリートを保護するパワーがある以上、建物全体の耐久性を高める効果があります。
しっかりと塗装実績のある業者に依頼をしましょう。
失敗しない塗床工事を目指すには
塗床工事をご依頼される方は建物の管理者や工場経営者の方々が多く、塗床工事の専門家ではない方が多いでしょう。
おそらくほとんどのケースでは、費用や耐久性の相談を行い、そのあとは業者にお任せする流れです。
そこで、この項では失敗しない塗床工事を目指すコツをご紹介します。
塗床工事の専門業者に依頼をしよう
塗装を担う工事業者は多数いますが、塗床工事に特化している、あるいは施工実績が豊富な業者ばかりではありません。
塗床工事は工場などの建物の使用用途をヒアリングし、適正な塗料と施工を行う必要があります。
特に塗床工事で工場をリフォームする場合には、現在の工場のダメージを適切に把握する必要があります。
たとえば、ひび割れが多くダメージが進行している場合には下地処理を非常に丁寧にやり直す必要があります。
実際に塗床工事の専門ではない業者に塗装をまかせてしまうと、わずか数年でひび割れが復活してしまった、というトラブルもあるのです。
業者選びを行う際には、経験豊富な業者を見つけるためにも見積もりを複数社依頼し、丁寧な対応や施工実績を説明してくれる業者を選択するようにしましょう。
用途替えの際には塗料を変更することもできる
塗床工事をご希望される方のなかには、現在の工場の使用用途から別の用途へと変更するために工事を希望する方もいます。
現在振動が多く、パワフルな塗床工事を行っていた場合でも、次の用途は事務室や倉庫などの場合にはそこまでの工事を行う必要がありません。
一方で、現在事務室のような場所から振動する機会を設置する場合には、塗床で補強することが望ましいでしょう。
使用用途は塗料選びの大きな決め手となるため、事前に業者側に適切に伝えるようにしましょう。
用途と塗料のマッチングはコンクリートを長持ちさせるコツです。
まとめ
今回の記事ではコンクリートを優しく守る「塗床工事」について詳しく解説を行いました。
塗床に使われる塗料にはいろいろな種類があるため、実際に施工をする前には塗料選びを慎重に行う必要があります。
適切な塗料選びは建物全体を長持ちさせることにつながるので、じっくりと打ち合わせを重ねましょう。