塗床工事とはどんな施工をするの?工事の概要や注意点を解説
みなさんは普段、建物の床に注目をすることがありますか。
工場やショッピングセンターなどの建物の床は、「塗床」という施工が行われている場合があります。
艶のある美しい床ですが、どうして塗床工事が行われるのでしょうか。
この記事では塗床工事の概要を通して、施工理由や注意点を解説します。
塗床工事はどうして必要なの?施工理由とは
食品加工工場など、多くの工場の床は美しい塗床工事が施工されています。
大型工場内の場合、工場の作業過程に合わせて床の色が異なっていることもあり、塗床には視覚的な効果があることもうかがえますね。
しかし、どうして塗床工事は行われているのでしょうか。
多くの大型の建物はコンクリートを使って施工されていますが、塗床工事はコンクリートの上から塗装を施す工事であり、客観的に言えば作業を1つ上乗せしていることになります。
つまり、塗床工事は建物を完成させる上でコストがかかるのです。
しかし、塗床工事には以下のようなメリットがあります。
塗床工事がもたらすメリットとは
塗床工事はコンクリートの上から下地処理を行った上で塗装を行う工事ですが、コンクリートだけでは不足する強度をプラスすることができます。
コンクリート自体は大変頑丈で丈夫ですが、工場で使用する機器類の振動には弱く、ひび割れが入ってしまう可能性があります。
そこで塗料でカバーを行うのです。ひび割れが起きにくくなり、工場の床を長持ちさせることができます。
コンクリートを頑丈に保護する役割があるのです。また、塗床に使われる塗料にはさまざまな効果があります。
例として「ウレタン系塗料」を通して解説しましょう。
外壁塗装に詳しい方には別の塗料が脳裏をよぎるかもしれませんね。
ウレタン系塗料は塗床工事にも積極的に使われています。
水硬性のあるウレタン系の塗料は塗料独特の臭いが少なく、塗った後にも施設内に漂いにくいことから「食品加工系の工場」などに多く使われています。
また、熱に強いという特性もあることから、油類などを使う工場の床材で重宝されている塗料です。
コンクリートに油や調味料が飛散してしまうと大きなシミとなって汚れてしまいますが、塗装がされていれば作業終了後に洗浄もできます。
ウレタン系塗料には別の種類もあり、硬質のウレタン系塗料を使うと耐衝撃性に優れているため、事務作業が多い場所の塗床に使用されています。
このように塗床はコンクリートを保護するだけではなく、コンクリートには無い効果をプラスするメリットもあるのです。
塗床工事の概要を学ぼう!どんな工事が行われるの?
塗床工事を実際に行う場合には、一体どんな工事が実施されるのでしょうか。
ここからは塗床工事の概要について触れていきましょう。
塗床工事の工程とは
塗床工事は新築の建物・工場のリフォーム時に実施されていますが、まずは工場の用途や現在の状態を確認するために「ヒアリング・現地調査」から始まります。
塗床が必要な工場について細かくヒアリングを行った後に、現地で現在のコンクリートの状態などを確認します。
向いている塗料や必要な工事の期間などを調整し、施工の契約前に見積もりを行います。
実際の工事が発注されると、施工の段階に入ります。
施工の前には塗料が飛散しても影響がないように、すでに設置されている機器や壁などに「養生」を行います。
塗床工事に使うのは塗料のため、塗装時に不要な場所に付着しないようにカバーを行うのです。
次に塗装の前段階である「下地」の工程に入ります。
新築の建物の場合は新規で下地処理を行いますが、工場内のリフォームの場合には塗料を塗りやすくするために、既存の下地処理を剥がす工程があります。
下地の確認作業が終わると、次に「プライマー塗布」と呼ばれる作業に入ります。
プライマーとはコンクリートと床材を円滑につなぐための薬剤です。
次に本格的に「下塗り」と呼ばれる工程を行い、次に上塗りの工程を行います。
最後に「トップコート」を行い完了です。
塗料を塗る工程数に関しては塗料の種類によって異なります。
塗床工事における3つの注意点とは
コンクリートを保護し、美観維持の目的もある塗床工事ですが、発注を行う際には注意点はあるのでしょうか。
ここからは3つの注意点に注目して解説します。
塗床工事の塗料選びは慎重に
塗床工事に使われる塗料には色んな種類があり、機能性はもちろんのこと費用も異なります。
塗料の価格には相当の開きがあるのも事実です。
塗料は工事費用や施工の工程などに大きく影響するため、塗料選びは慎重に行うことがおすすめです。
塗床工事の専門業者に相談をすると、色んな塗料のアドバイスが可能です。
時間をかけて慎重に塗料を決めるためにも、工場のリフォームをご検討の場合には、早めにご依頼をいただくことがおすすめです。
定期的なメンテナンスを
塗床工事の施工後は美しい状態を維持できますが、工場など人の出入りも多く毎日稼働している場所では、定期的な塗床のメンテナンスがおすすめです。
塗膜にダメージが起きているにもかかわらず状態を放置してしまうと、塗床の下地部分であるコンクリートにもダメージが広がってしまいます。
工場の状態は企業の資産価値にも大きく影響するため、メンテナンスを欠かさず行うことで、企業全体の価値を守る効果もあります。
塗装後は年に1~2回のペースでメンテナンスを行いましょう。
3.リフォーム時には下地処理を丁寧に
塗床工事は新築の工場などだけではなく、リフォームで塗床工事を再度行うことも多くなっています。
リフォーム時には既存の下地を剥がして再度処理を行う必要があり、専門的な機器や技術を要します。
下地が凸凹の状態のままですと、新しい塗装の仕上がりも美しくなりません。
下地処理はテクニックがある業者がおすすめです、依頼を行う場合には工場のリフォームなどの施工実績が豊富な企業を選ぶようにしましょう。
塗料の密着性を高める重要な工程ですので、施工主の方も下地処理に関しては事前に下調べを行うことがおすすめです。
まとめ
この記事では塗床工事の概要について、幅広い視点から解説を行いました。
普段塗床工事は目にする機会が少ない工事ですが、塗料のパワーでコンクリートを保護する工事はとってもユニークです。
工場の機能性を上げるためにも重要な工事ですので、ぜひ本記事をきっかけに関心を深めてみてくださいね。
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